心臓弁膜症


 心臓には4つの部屋(左心室、右心室、左心房、右心房)があって、それぞれの出口に弁があります(大動脈弁、肺動脈弁、僧帽弁、三尖弁)。これらの弁に生じる異常を「心臓弁膜症」と呼びます。弁の開きが不十分な場合を「狭窄症」、閉じが不十分な場合を「閉鎖不全症(逆流症)」といいます。症状は息苦しさです。階段や登り坂を昇るような心臓に負担を加えるような動作をしたとき(労作時)の息苦しさ(心不全症状)が、徐々にあるいは急に出現します。弁膜症が何年も何十年もかけて徐々に進行する場合は、障害が強くてもからだのほうが慣れてしまっているためか、患者さんが症状に気づかないことも多いのです。弁膜症の診断に最も役立つ検査は「心エコー(超音波検査)」です。痛みも危険もない検査で、30分ほどですみます。