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カナダ紅葉紀行
ハンツビルから「紅葉列車」に
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6日目
旅のお仲間に絵を描くご婦人が居られました。駅の裏手で、一人スケッチ して居られます。私もそっと行って見ました。 絵を描く方の感性、構図の捉え方、に感心しました。何て事はないような 古びたペンキのはげた、駅舎、それを別の目で見ると、成る程、とても 面白い素材に思われます。グレイ、白、藍色、薄水色、黒からなる古ぼけた 無人駅の絵は、どんな仕上がりになるでしょう。
後でスケッチブックを見せて頂きましたら、オタワのあの可愛い教会の スケッチがありました。私は、あの素敵なステンドグラスを写真に 撮ったので、楽しみにしていましたら、夜で、雨もふっており、ガラス 越しで全然写って居らず、ガッカリです。
突然のように汽笛が聞こえ、みんなあたふたとホームにかけつけます。かっこ いいオンタリオ・ノースランド・トレインが、入って来る写真を撮ろうとしま したが、間に合いませんでした。コンカー(違っているかも知れません。 耳で聞いたもので・・)という所から、800キロ走ってきたそうです。
身体の大きな乗務員さんが、3人で、メープルシロップで重くなったスーツケース を軽々と列車に積み込みます。こんなことするから遅れる訳だ、あんなに大きな体だから、沢山食べるわけだと、みんなで納得しました。
いよいよ「紅葉列車」がトロントに向けて発車です。約3時間半の旅です。ガッシリとした重厚な造りの列車です。いすの下にあるものを持ち上げると足乗せになります。これは快適です。大きな窓が、一寸汚れているのが玉にきずですが、その向こうに移りゆく眺めはには文句のつけようも ありません。
車幅も椅子もカナダ人に合わせて大きい列車は、ゆったりとして 快適です。 間もなく添乗員のMさんとウエイトレスさんが、コーヒー、紅茶 などの注文を取りにやってきました。ワゴンを押して来るのかと 思ったらメモだけ取って、後から持ってきます。
もうカナダのコインを残して置くこともないので、小銭で、コーヒーを 飲むことにします。90セントだそうです。70円足らずです。 カナダのコインは、とても小さくて覚えるのも大変、数えるのも大変 です。長いことかかってやっと90セント握りしめます。
一寸出がらしのようなコーヒーを飲みながら、窓に目をやりますと、 雪が降って居るのかと思うほど、白い綿毛が飛んでいます。 広い野原一面、綿毛を飛ばす、すがれた植物が、群生しています。
ハンツビルの駅のそばにも生えて居りました。これは、まだ枯れて居らず、 丁度オクラのような形の尖った実が、てっぺんに実って、それが弾けて 綿を飛ばすのです。見たことも無い珍しい植物でした。
後ほど、MLのカナダ在住の笠原様より、「この植物は、Common Milkweed だと思います。」とのお便りを頂きました。日本名では、「おおとわた」と言い、 「大唐綿」の意味だそうです。笠原様、有り難う御座いました。
ボーッと何度も汽笛が鳴ります。人も居ない広々した野原で、どうして汽笛 を鳴らすのかと不思議に思いましたら、牧場です。牛や羊が、広い牧場に のんびりと草を食んでいます。
やがてモミジの山に入ります。右も左も紅葉です。 紅葉列車とは、だれが名付けたのでしょう。紅葉を堪能していると又牧場です。 汽笛が鳴ります。
Graven Hurstという駅で止まります。小さな駅で、何人か下ります。高校生 位の少年達です。 暫く走って、止まってしまいました。どうしたのでしょう。こんな所で エンコしたら大変です。窓から覗いてみました。外で、乗務員の大きな 男性が、例の植物の穂綿をちぎっては、飛ばして遊んでいます。
10分位して、貨物列車が、反対方向からやってきて、すれ違いました。 単線だったのです。貨物列車は、いつまでたっても途切れません。 あきれるほどの長さです。 それにしても、50分も遅れている単線の汽車がすれ違うタイミングを どうやって調整するのでしょうか。
やっと動き始めます。washago駅、Oriole駅で止まり、次が終点トロント です。トロントの町が向こうに見え始めました。と思うと又森です。紅葉です。 大都会の目の前に、大きな自然がある事がとても贅沢に思われます。 5時40分頃、とうとう、終点
トロント
に到着しました。
これは私が拾った本当のメープルリーフです