パリを歩く(実行編 その6)タクシーに乗った! 思いがけず迷路のように奥行きの深いこの Clunny にどれほどの時を過ごしたのでしょう。絵はがきを買って外に出るとそろそろ夕方の雰囲気です。行きたかったヴォージュ広場は断念して凱旋門からシャンゼリゼを下り、フォーブルサントノーレを歩こうと言うことになりました。 丁度タクシーが来ました。手を上げると「おいでおいで」をします。二人でえっさえっさとそこまで走って乗り込みました。「Etoir, s'il vous plai.」と目一杯フランス語したのですが通じません。2度繰り返してもダメです。仕方なく地図を見せて「ici !」と指さしてやっと分かってくれました。ところが、それから「Etoir」の発音の特訓が始まってしまいました。 私の「Etoir」の発音がまずいというのです。何度も何度も発音させられて、やっとパスしました。エトワールの「ル」の発音が「R」よりむしろ「L」に近く、「エトワール」の「エ」と「ル」にアクセント。思い切り力を込めて「E!」「LU ! 」と言うところがミソのようです。 バックミラーでしっかり私の目を見てしゃべりまくります。フランス人は英語は喋らないと聞いて居りましたが、職業柄でしょうか、英語を使ってくれました。若くて元気でとてもご機嫌の良い運転手さん!日本のタクシーの運転手さん、都会ではこんな人には滅多にお目に掛かれません。 色々話してから「明日はウイーンに行く」と言いますと途端に、「パリは気候も良くて素晴らしい処だけどウイーンは寒いよ」と否定的。このお国自慢がいかにもパリッ子らしい。セーヌ川に添って左岸を走り、やがて橋を渡って右岸へ。リドのタクシー乗り場の処で下ろして貰いました。チップをあげて、気持ちよく手を振ってバイバイ。交代にフランス人のお客を乗せて走って行きました。とても楽しいひとときでした。 |