ブルトイユ城の円居
驚異的なスケジュールでとうとう昼食をする時間が無くなってしまいました。ホテルへ戻りアタフタとドレスアップしながら昨日旅行会社が差し入れてくれたフランスの匂いのする果物籠の洋梨や、朝残したクロワッサンなどを齧ります。この部屋にはバスが無いのでブルトイユ城に行っている間にバス付きの部屋に交代するそうでスーツケースや荷物などキチンと纏めて置くように言われましたので目のまわるような忙しさです。
バスは凱旋門を通り抜け先ほど通った道を戻る形でパリ市外に出ました。セーヌ川を右に見たり左に見たりしながら周囲はやがて田園風景になりました。畑には殆どもう作物は見えず、ただ広広と耕されております。そこに途切れては続く高いポプラの並木道。ロアール地方には更に本格的にこのような田園が広がっているとか。成る程、フランスは実は農業国なんだぁと思い至りました。
パリから西へ走ること50分。葉を落としたプラタナスの並木の突き当たり、農園に実る小さな赤いりんごのような果物を近く眺めてゴシック調のブルトイユ城に到着です。つい先ほどフランス革命に導く
原因ともなったと言われるほど華麗なヴェルサイユ宮殿とその広大な庭園を見た目にはずっとミニチュアではありますが手入れの行き届いたヴェルサイユ風の庭園は、ひっそりと静かに冬の午後の柔らかな日差しを受け止めておりました。
庭園から森へつづく道が緑の中に隠れるそのあたりにわれを忘れてさ迷い込んでしまいたいような・・
フトそんな気持ちになりました。
この城は18世紀 Louis Auguste de Breteuil 伯爵のものであったそうです。いくつもの部屋を通り抜け、暖かく暖炉に薪の燃える広間に通されました。ここは控えの間で、次の部屋が大広間です。ここで伯爵の子孫、ブルトイユ殿下がお出ましになって我々と記念撮影をして静かに立ち去られました。これが現在の殿下のお仕事の一つですね。
これから思わぬ楽しいパーティーの始まりです。
フランス人の老ヴァイオリン弾き、中年のアコーディオン弾き、若いヴォーカルの音楽が始まってカクテルパーティーです。(このとき出たカクテルは、かっこいい若い男性添乗員のSさんがアラスカの免税店で買ったものでした。(***は見ていた!)
食足りてダンスが始まります。小柄でタフなパーティー屋(?)のフランスのおじさん・・がすごくハッスルして盛り上げます。可愛いフランス人の若い女性も居ます。輪になって踊り、入り乱れて踊り、二人組んで踊り、全員で踊り、もう理屈抜きに楽しい! せっかくドレスアップしたのに汗をかいてしまいました。
やがて暖炉の火もそろそろ燃え尽きて楽しかったパーティーもおしまいです。さしもの長い一日もようやく暮れ初めて、たそがれの田園を再びパリへと走ります。ミラボー橋の彫像も夕闇の中に定かではありません。間接照明のついた自由の女神、そして同じく照らし出されているエッフェル塔を眺めながら6時過ぎにホテルに帰り着きました。
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田園のポプラ並木
正面がブルトイユ城
ブルトイユの庭
Oさんのロマンス
殿下と共に
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