2004年6月17日 出発で〜す。

 
 午後1時05分、英国航空008便、ロンドン経由ウイーン行きはロンドン・ヒースロー空港に向けて轟音を発して出発です。今回もいつものパッケージ・ツアーですが、少し違うのは「音楽の旅」と銘打たれたもので、音楽には関心無く、しかも早寝の夫は幸か不幸か一抜けて犬と留守番と相成り、同行者は音楽と美術の愛好者、何と!メル友のバジルさんです。

サテ、このようなパッケージー・ツアーがお買い得であるか否かは終わって見なければ分かりません。「多くは期待すまい」の覚悟の上で、機上の人となりました。

ロンドン経由で、21時40分 気温17度の
ウイーン、シュベヒヤート空港に到着です。ウイーンはこれで3度目ですが、何と言っても初めての海外旅行がパリとウイーンでしたから、その時の印象は強烈でした。しかし1,2度目共行きたくても行けなかった場所があり、今度こそ、ウイーンの町を自分の足で歩きたいという願いがありました。

明日は午前中半日市内観光ですが、それをキャンセルしてバジルさんとシュテファン寺院へ、それから昼食は皆さんと合流して市庁舎地下のレストランで済ませ、そこから美術史美術館へ行こうと計画を建てました。

 手頃な大きさのボール紙にウイーン中央部の地図、裏には地下鉄とトラムの路線図を貼り付けたものを用意しました。大切な虎の巻です。そして夜はオペラ座で小澤征爾のオペラ、「ジョニーは演奏する」の鑑賞となっております。バスで夜となったウイーンの町を走り、ホテルに到着致しました。
2日目 6月18日 ウイーン
 ツアーの皆さんは、「リンク」をバスで一周、あちこち巡り歩いたようでした。欲張りな私は、この中で行きたかった所はヴォティーフ教会(当初この教会のすぐ近くのホテル予定されていたので絶対見るつもりでした。)、プラター大観覧車、ラデツキー将軍像等でしたが、体は一つしか有りません。

ツアーをキャンセルして、自由行動の我々はホテルから5分もかからない地下鉄乗り場から先ずKarlsplatzへ行く事に致しました。添乗員さんが配って下さった今日の予定メモには、

最寄り駅名   Pilgramgasse
オペラ座へ行くとき〜He(iligenstadt)方面
         帰り〜Hu(ttendolf)・・・uはウムラウト付きです。
と噛んで含めるように分かりやすく書かれてありました。

地下鉄の駅から。左に見える白いビルがホテル

 
切符は自動販売機で、全部ドイツ語です。サテ何処を押せば良いのかなと戸惑って居りましたら、親切な男性が丁寧に教えて下さって助かりました。やってみれば簡単でした。出てきたチケットを鋏を入れる機械にカチャンといれてOK.
これが5ユーロで24時間、地下鉄、トラム、バス共通で何度乗り降りしても何処まで乗っても良いという優れもの。何度か乗りましたが、一度も検札に出会いませんでしたので、まるで切符など要らないみたいでした。でもひとたび無賃乗車などの誤魔化しが見つかったらよほど酷い目に遭うのかもしれませんね。

下鉄の切符です





いよいよウイーンの地下鉄初体験です。緊張しながら、結局シュテファン寺院近くのStephansplで地上に出て参りました。

目の前にシュテファン寺院があると思いきや、広く開けた道路や公園です。近くに立っている女性に尋ねましたら、「あっちの方だと思うのだけれど分からないの」とご同類でした。そこであっちの方へ歩いて参りますと、やがて
シュテファン寺院の尖塔の先っぽが見えて参りました。
↓Stephanspl駅の近く。
未だ10時前の町は目が覚めたばかり、でも、ウインドウのディスプレイ等見ながら細い道を辿ってゆきますと、その突き当たりの空間に思いがけなく唐突に美しい(と感じた)シュテファン寺院が現れました。うん、この位置、この角度から見るシュテファン寺院は素晴らしい!思わずバジルさんと感動の眼(まなこ)を見交したのでありました。

 雨がポツリと来ましたが、丁度シュテファン寺院にゴールインです。外側からは見たことがありましたが、中に入るのは初めてです。ここでモーツアルトの葬儀が行われたことなど想像。高い所が好きな私は、塔の上に登ってみたかったのですが、343段のらせん階段を登ってゆくのは大変そうなので、中止。南塔からエレベーターが出て居たことは帰国してから知りました。向後、このツアーでもあちこちの沢山の寺院に入りましたので、お陰様でシュテファン寺院内部のイメージが他のものとごちゃ混ぜになり、いくら頭を叩いても鮮明に浮かんで来ないこの悲しさ!悔しさ!それよりも外壁のレリーフの見事さが印象に残っております。
 
寺院を出ますと雨も止み、名高い
ケルントナーシュトラーゼを歩きます。出発前、ウイーンに詳しい友人が、
「あなた、ウイーンに行ったら
ッバラっていうケーキ屋さんにいらっしゃいよ、王宮の裏口からすぐの所のデーメルのケーキも美味しいわよ!なに?ダイエット?ご飯食べなきゃ良いじゃない。ウイーンでしか味わえないケーキ食べなくちゃあ!フィーグルミューラーっていうお店のウインナーシュニッエルは凄いわよ、お皿からはみだしちゃうんだから、二人だったら一皿で良いくらいよ。ペストの塔の道をずっと行くと仕掛け時計があって、あなた、11時45分に行きなさいよ、見られるから。スペイン乗馬学校にも行けたら良いのにね〜。美術史美術館にはベラスケスの皇女マルガレーテの絵があるし!」

 彼女はざっと地図を書いて割合美味しいという日本食の
天満屋(てんまんや)まで教えて下さったものです。折角でしたから家で確かめてみましたら、インターネットカフェの店も発見。うん、メカに強いバジルさんと一緒だったらインターネットカフェ初体験でMLに発信出来たらカッコイイ〜
な〜んて欲張っていたのですが、おっ!デパート発見!一巡り。そうそう、今のうちお土産をgetしておこう!バジルさんご紹介のJal系のお店へ!とこうしているうちに時間経過。オペラ座の横手からさっきゲットしたチケットでトラムに乗り市庁舎地下のレストラン「ラーツケラー」へ向かったのでありました。
ケルントナーシュトラーゼ 1959年に修復されたエデュアルドファイスのモザイク画が描かれているデパート
                                
 サテ、
市庁舎はオペラ座から歩いても行かれる距離ですが、ツアーの一行に遅れをとってお昼を食べ損なってはいけないと、トラムに乗りました。乗ったは良いがハテ降りる時はどうしたら良い?目を皿にして、降りる人がどうやって降りるのかを観察です。どうやら出口のボタンを押しています。市庁舎では降りる人が大勢居りましたので、後について無事下車致しました。このトラムはリングを山手線のようにぐるぐる回ってまた元の場所に戻って来るとのことで時間があれば乗って行きたかったところでした。

 市庁舎の前にはテントが張られ、、子供向けのイベントをやっておりました。
ステージで何かパフォーマンスが行われ、親子連れが楽しんでおりました。
 昔、初めてウイーンのこの場所を訪れたのは11月末でした。その時は見上げる程の大きなクリスマスツリーが飾られて、やはり子供のためのクリスマスの市場が開かれ、とても印象的だったことを思い出しました。

シェーンブルン宮殿はじめ市内観光で少し時間に遅れて到着したツアーの皆さんと情報を交換しながら、ウインナーシュニッツエルの昼食です。
 午後は皆さん自由行動とて、それぞれ解散。レストランを出ると市庁舎前で可愛い少女達がお揃いの乗馬服に身を固め、馬に乗ってエキジビジョンをして居りました。楽隊の演奏に乗ってパカポコパカポコ・・・暫く珍しく眺めておりました。この風景はバジルさんがバッチリビデオに撮影です。サテこれから二人共通の念願であった美術史美術館へ再びトラムに乗っていざいざ!
 チョッピリ乗り慣れたトラムで見当を付けて下車、ぐるりと自然史博物館の裏手を回って自然史博物館と対になっている
美術史美術館にやって参りました。少し遠回りしてしまいましたが、周囲の様子が分かって良かった!でも、これから行かれる方は、オペラ方面からのトラムを下車しましたら、少し戻りますと、堂々たるマリアテレジアの像に出会うことが出来、その像を両側から守るように壮大なこの二つの建物が現れ、正面から入る事ができます。

 ここで見たかったのは、
ペーター・ブリューゲルです。そのほかには、レンブラント、ルーベンス、ラファエロ、ベラスケスティツィアーノ、デューラー、そしてフェルメールなどでしたが、残念ながらデューラーの「ヴェネチアの若い夫人」を見つける事が出来ませんでした。それにフェルメールは日本にお出かけ。ベラスケスの「青いドレスのマルガリータ」も同じく日本にお出かけで白いドレスの方のマルガリータちゃんにお目に掛かって参りました。あのグロテスクなアンチボルトの野菜や果物で出来た肖像画も目の当たり。

 さて、ブリューゲルですが、この旅が決まってから、何気なく本箱を覗いていましたら、昔買った侭になっていた曾野綾子の「ブリューゲルの家族」という本が出てきました。読み始めますと、ブリューゲルの25の作品一つ一つが主人公の夫批判に絡められて、いたく面白く、且つ又痛快、童画のようなブリューゲルの絵からよくぞ色々なイメージを膨らませるものだと改めて才女ぶりに感嘆した次第でした。
静かな美術館で一つ一つの絵をゆっくり見ることが出来る幸せ。でも、ここも、此処だけ、ゆっくり何度も通って見ることができたらどんなに幸せな事でしょう。
これから中野孝次の「ブリューゲルへの旅」も読んでみようと思っております。こちらは一寸グレードが高そうですが・・(この旅が終わって間もなく中野孝次氏が亡くなられました。)
 さ〜て、いよいよ今夜は小澤征爾のオペラです!疲れては居られません!。
今夜来るぞ!のオペラ座の前から地下鉄に乗って一旦ホテルに帰り一休みです。オプショナルツアーでウイーンの森へ行ったメンバーも4時半にはホテルに戻る予定です。
オペラ出発は6時20分ロビー集合となっております。

夕食は各自で、但し夜食用のおにぎり9ユーロ50セントを希望者にとの事で二人はおにぎりを注文。これは天満屋のものだそうです。ウイーンでオペラ観劇の前のおにぎりの味は?? 胸がいっぱいでいつもの食欲は何処へやら。そそくさとドレスアップ。バジルさんは白のショールで優雅に。私は黒のショールでシルエットを誤魔化して若いおおらかな添乗員のSさんが待つロビーに一番乗りです。

意外に地味なチケットを渡されました。無くしたら大変!と仕舞い込む。

 私の席は通称平土間という事を初めて知りました。何と見事な煌びやかでクラシックな世界でしょう。ドームのような天井には大きなシャンデリアが輝き、ボックス席が優雅に並んでおります。緞帳は都会のビルを背景にしたキリスト像が浮き上がって見えるという不思議な図柄でした。

右側の大きな席は貴賓席です。 キリスト像が浮かぶシュールな緞帳
 前の椅子の背にドイツ語、英語の翻訳が流れる機械がついており、ドイツ語チンプンカンプンの私は仕方なく英語にして理解に相努めました。幾らかは無いよりましというところです。
添乗員さんが今日の演目「ジョニーは演奏する」のあらすじをプリントしたものを配って下さいましたが、何度読んでもすっと頭に入りません。私だけではなく、みなさん、「これ読んでもちっとも分からないね〜」という声が聞こえます。ハテサテ、一体どのようなオペラが始まるのでしょうか。拍手と共に小澤征爾が登場致しました。オーケストラボックスの中からはあのボサボサの白髪が時々見えるだけです。

 舞台装置は一寸シュールで登場人物は彫像のようにしばらくの間動かず絵の一部のように氷河の上や斜面の途中に止まって居りました。クラシックとミュージカルとをミックスしたような、セクシーでもありユーモラスでもありで、在来のクラシックなオペラとは随分趣が異なっており、音楽鑑賞眼鋭いウイーンでの小澤征爾の大きな挑戦ぶりを目の当たり見る思いでした。歌手達も素晴らしい声量でフィナーレの四重唱は聴き応えがありました。

 ウイーンの聴衆の反応は大変暖かく、良かったと感じました。ストーリーがややこしく、言葉も分かりませんでしたが、舞台に変化があって面白く見られました・・兎に角日本人としては我らが小沢征爾のウイーンオペラ座での成功をひたすら祈りたく、盛大な拍手をオペラ座の平戸間に響かせたのでありました。


聴衆のカーテンコールに挨拶する出演者。右から3人目が小澤征爾氏です。



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