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再びのインドネシア


バリ編 5

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7月20日
天気予報では曇りというのですが、どうしてかな?と思うほど 良いお天気です。そう言えば夕方水平線のあたりに雲が湧く くらいでしょうか。

昨日一日、休養して、今朝はレストランでおかゆとスープの朝食 をとりました。おかゆは柔らかい白粥で、それに自分で好みの具とスープを 加えるのです。おなかに優しくて、グーです。

少しだるさは残っておりますが、今日のツアーは午後 からで、モンキーフォレストとタナロット観光です。折角のチャンス ですから今日は思い切って出かける事に致しました。 ロビーに1時半の約束でしたがウブドゥに住んでいるというガイドとドライバーは ちゃんと時間どおりにやって参りました。

「おくさん、だいじょうぶですか?」
心配そうにたづねてくれました。昨日キャンセルしたので気に なったのでしょう。
「わたし、日本語すこししか出来ない。だから、分からないところ ごめんなさい。」
30代の終わり位でしょうか。小学生と幼稚園の子供と、病気のお父さん と一緒に暮らしているそうです。

「あ〜ら、子供さん居ていいわね〜」
「でも、今、仕事ないから、生活大変です。畑と木彫りとガイドやって それでも大変です。」
しょっぱなからちょっと厳しいお話になりました。

「日本語は何処で習ったの?」 「わたし、がっこうに行くお金ないです。だから、日本人のひとと文通 しておぼえました。わからないところはその友達におしえてもらいました。 でも、このごろ、テロで日本のお客さん減ってしまって、日本語使わない。 すこし忘れました。」

途中で赤いシャツの集団に出会ったので、お祭りでもあるの?と 聞きましたら、「あの人たちはメガワティの・・・・」とここですりきれた小型 のノートをポケットから出して「・・・・政党の支持者です。」と続けました。 彼は覚えた言葉を手帳にメモしてポケットに入れて居たのです。

レストランへ続く道 タマン・アユンにて"
ここを通ってホテルのレストランへ。クリックするとホテルの中にある お寺が現れます。バリは至る所にお寺があるのです。 左がガイド君。タマン・アユンにて。

インドネシアでは現在は2毛作で、片方で田植えをして片方で 刈り取りをという風景が見られますが、昔から二毛作だった わけでは無いのですね。 インドネシアの田園風景はこちらへ。

このガイド君の子供の頃は年に一度しか収穫が無く、それも自分 の家で食べることは無かったので、主食はお芋だったそうです。 二毛作になってやっとお米が食べられるようになったとか。
話を聞くと一般のバリ人の貧しい生活の有様がひしひしと感じられ て暢気に観光する我々が申し訳無いような、また、彼らの為になって 居るのだからと自分を納得させたりと一寸複雑な気持ちでした。

サテ、車が始めに止まったところは銀細工の店でした。 あとから聞きましたら、チェルックという場所だそうです。
店の入り口で銀細工の工程を説明されて、店の中に通されました。 指輪、ネックレス、額入りの銀細工の人形などなど沢山陳列されて います。折角なので、主人の会社の方のお土産を纏めて買うことに 致しました。

「これだけ買うのだからプライスダウンね。」私はイダのむこうを張ろうと頑張ります。
「幾らで買いますか?」始まり始まり!
しかし、時間が限られていますから結局、どの程度安く 買えたのかは分かりません。

ちょっと無愛想な女性が品物を包んでいる間、若い男の店員が話し かけて来ました。見ればなかなかハンサムです。
「年は幾つ?」
「24です。」
「あ〜ら、若いのねぇ。お嫁さんは?」
「ま〜だいないね。26になったらね。アノネ、日本の女の人みんな カワイイネ。およめさんにしたい。」
「あ〜ら、あの女の人だって可愛いじゃない?」
すると顔を顰めて小声で「か〜わいくナイヨォ」

バリの男性は結構ハンサム君が居るのです。それで日本の若い女の子 が随分騙されて泣きを見たという話があるようですが、成るほど、こんな 感じでその気にさせるのかしらと可笑しくもなりました。要注意!ですよ。

銀細工 銀細工の壁掛けです。

銀細工の店を後にして今度はバティックの店に連れてゆかれました。 大きな店で、ハンカチから洋服まで様々なバティックが並んでいます。 人づてに聞いていた膝下までの巻きスカートを欲しいと思って居りましたが、 この店で発見!買っちゃお!
それにハンカチセットなどの小物を添えて店員のお兄さんに、

「これ、プライスダウン、プリーズ」
「オーケー」
全部で48ドルを20ドルから始めましたが、結局30ドルに落ち着き ました。18ドルのプライスダウン。やったぁ!
「良いです。30ドルにしましょう。その代わり、5ドルは私に下さい。」
「???」

彼は私からお金を30ドル受け取ってレジに持って行き、レシートと 5ドルの釣り銭を貰い、その5ドルをするりとレジ嬢に見えないように自分の ポケットに滑り込ませて、、ニコニコしながらさりげなくその レシートを私に渡したのでした。

え?ひょっとして25ドルでも良かった訳?そうしたら20ドルのレシートが返って 来たのかしら??
イダに話したらきっと、「オ〜〜、ダメヨォ〜〜、ママァ〜」 と言われそう・・・内緒にしておきましょ。

レシート 石像
得したようで損した?レシートです。。 走り出した車の中からこんな大きな石像が見えました。「露座の中仏」くらいです。像の前にはちゃんとお供えものが。

「これからタマン・アユンというお寺に行きます。」
ようやく観光コースに入るようです。
「タマンは女王、アユンは美しいという意味があります。」
このヒンドゥーのお寺は1634年に建てられたそうで随分古いものの ようです。我々が着いた時、丁度大勢の団体客が門を出てくる ところで、ラッキーでした。

お寺と言っても日本のお寺とは様子が異なり、アグン山を模したという 沢山の塔(メル)が建っております。その周りには堀があり、一般の人 は入れませんが堀に沿って一回りすると中の様子が良く見えます。 塔は普通3から11の奇数層だそうで、黒い、きのこの重なりのようで とてもスマートでユニークです。

門 境内"
タマン・アユン入り口の門です。クリックすると内陣が現れます。 11層の塔です。クリックすると外側の堀からの様子が分かります。

「この木はジャックフルーツで、こちらではナンカと呼びます。」
このお寺の周りには椰子の木始め、色々な茂みがありますが、 ナンカにはトゲトゲのついた大きな実が沢山ぶら下がって おります。この熟れた実をスライスしてカラカラに乾したポテトチップス のようなお菓子を後でイダに貰いましたが私はこの味にすっかり嵌ってしまい、 つい食べ過ぎてお腹をこわしました。

ドライフルーツ ジャックフルーツの木"
ドライ・ジャックフルーツです。ほんのり甘くてほんのり酸っぱく、 歯ごたえポリポリです。 ジャックフルーツの木にぶらりぶらりと実が成っています。もっともっと 大きく人間の頭ほどのものもあります。

椰子の木を見上げたガイド君は話を続けます。
「椰子の木は無駄にするところがありません。葉っぱは燃料に、 幹は建築や彫刻に、根っこは乾かして燃料に、実はジュース、ココナッツオイル など食料に、殻も器や燃料にします。」
むしろ寡黙なこのガイド君が話すととても真実味があって何となく昔、「おくど」 に枯れ木の焚きつけを入れて炊飯していた日本のお母さん達のことを思い出して しまいました。

タマン・アユンはとても美しく整備された公園のようなお寺でした。

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