6月22日のつづき  リンツ〜ザルツブルク

 
 サテここからバスで私のビックリしたブルックナーが眠るザンクトフローリアン修道院へ向かいました。リンツから南へ15k移動です。アントン・ブルックナーがオルガニストを努め、彼の希望に依って死後パイプオルガンの真下に当たる地下室に葬られて居るという
ザンクトフローリアン修道院へ参ります。聖フローリアンはカトリックでは消防の守護聖人で、4世紀の初めに殉職した消防士のお墓が出来た事がこの修道院の始まりとか。いつもはブルックナーの棺のある地下室の入り口に立って手に水瓶をもって火を消しているフローリアンの像が今年は修道院の入り口近くの戸外で我々を迎えて呉れました。

これがザンクトフローリアンの大修道院です。         噂の聖フローリアン

 この建物はバロック式で、中に入って私はびっくり。壮麗、優雅、ゴージャスまるで宮殿と見まごう部屋が並んで居ります。修道院なのにであります。ベルベデーレ宮殿の主、オイゲン公の為に作られたベッドまであるのです。余談ですが、エルツヘルツォーク・オイゲンつまりエルツヘルツォークは大公という意味だという事をガイドさんの話しで初めて知りました。

何故そんな事で喜んだかと申しますと、私が初めての海外旅行でウイーンで泊まったホテルの名前が「エルツヘルツォーク・ライナー」という古いホテルで、今もあるのかどうか、兎に角忘れられない名前だからでありまして、ライナー大公という名前のホテルだったんだぁ・・と何十年も昔の謎が解けてスッキリです。

この修道院には有名な少年合唱団があり、現在も活躍しているそうです。礼拝堂の素晴らしいパイプオルガンを見たり、ブルックナーの使ったピアノを見たりして、そのパイプオルガンの真下という地下のブルックナーの棺の安置されている部屋まで参りました。

薄暗く、冷たいシーンとした空気の中に立派なブルックナーの棺がありました。何と、その後ろの壁の窪みにびっしりと数えきれぬ程の頭蓋骨がそのままの形で綺麗に積み重ねて納められているではありませんか。
どこの何方のものか、この修道院に縁のある方々なのでしょうか。彼らもブルックナーと共に毎日パイプオルガンの音に満たされて安らかに眠っているのでしょう。

              下の画像から修道院にお入り下さい。

静かに眠るブルックナーの墓前に別れを告げます。地上はやはり美しい光に満ちた緑の世界でした。バスに戻り、いよいよ最後の地、ザルツブルクへ向けて走ります。

 バスの窓から見える畑は、氷河が土を運んだところで肥沃な土地であり、牧草地は氷河が土を削った所で痩せているのだそうです。このあたりの牛は幸せそうに良く肥っております。いよいよザルツブルクに近づき、ザルツカンマーグートにさしかかりました。左手にあった湖は「アッターゼー」!でした。


山々が近づき、ザルツブルク市内に入ります。ザルツブルクってこんなに山が近くにあるのですね。踏切の遮断機がおりて、バスはストップ。貨物列車が山から切り出した材木を沢山積んで通り過ぎて行きました。







 バスはザルツブルク中央駅の直ぐ近くのホテル、オイローパに到着致しました。このホテルを出るとすぐにバスのターミナルがあり、市の中心部へ行くのも大変便利です。今回の旅では、どこでもホテルが駅の近くでとても助かりました。